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静岡県

仁科の真イカ


旬:6~10月

湧昇流の発生する豊かな海で育つ真イカ。
深い甘みをもった肉厚の身が自慢!

プライドストーリー

古くから営まれる一本釣り漁で傷めず水揚げ。
培ったノウハウを活かして高品質な真イカを出荷します

 日本各地で生息する真イカ(スルメイカ)。真イカは、本州以南の暖水域で孵化した幼体が、黒潮によって北方冷水域に移送されながら成長し、その後産卵のために南方暖水域に回帰すると考えられています。寿命は1年程度で、メスはオスに比べて体が大きめ。オスは6~7ヶ月、メスは7~8ヶ月ほどで成熟します。真イカには冬季発生群と秋季発生群の2種類があり、太平洋側で漁獲されるのは主に冬季発生群です。静岡県沿岸には夏季に回遊し、そこを一本釣りなどで漁獲されます。
 伊豆半島西岸に位置する西伊豆町仁科では、古くからイカの一本釣り漁が営まれています。主な漁場は伊豆半島南端の石廊崎沖と駿河湾中央部にある石花海(せのうみ)と呼ばれる浅瀬です。日本で一番深い湾として知られる駿河湾ですが、深い場所ばかりでなく40mほどの浅い場所があるため、湧昇流が発生し、餌となる小魚や甲殻類が多く生息します。そのため、とても豊かな漁場を形成しており、ここで育った真イカは、肉厚で甘味が強い身質となります。
 初夏(5~6月)に獲れる“はしり”の真イカは、“活イカ”で出荷します。成長期のためやや小ぶりですが、細切りの刺身は身が透き通り実にさわやかです。コリコリとした歯切れのいい食感で、ほのかな甘みが口に広がります。漁獲後すぐに活魚槽へ入れ、また収容量を少なめに制限することで、イカ同士の噛み合いや水質の悪化によるダメージがないので、活きの良さが特徴です。
 一方、駿河湾沿岸で豊富な餌を食べ丸々と太った盛夏(6~9月)の真イカは、肉厚な身と深い甘みが魅力。漁獲後はすぐに2℃の冷却海水で〆ますが、この温度がポイント。水揚げ直後は透き通った白色の真イカが、首都圏の市場に着くころには美しい琥珀色に染まるよう、漁師が試行錯誤して確立した温度なのです。
 仁科では、数十年前より全船に海水冷却器を導入することで全ての真イカを高品質な状態で水揚げしています。漁港到着後は、漁協職員が直ちに選別、箱詰めを行い出荷。漁協が水揚げから出荷のすべてを一元管理することで、品質保証と安定供給につなげています。

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水揚げ漁港や漁法

全国的にも珍しい「昼獲り」漁を実施。
鮮度の高い最良の状態で、翌朝の市場に並びます

 夏に最盛期を迎える仁科のイカ漁は、全国的にも珍しい「昼獲り」で行われます。一般的なイカ漁では、夜に出港し船の明かりに集まったイカを釣り上げますが、仁科での出航は早朝。ほとんどの船が一人操業を行っていて、魚群探知機で真イカの群れを見つけると3~4機の自動イカ釣り機を使用。一本の縄に20~25本の蛍光色の疑似餌を着けた糸を、水深200m前後に垂らして一本釣りを行います。その後、午後3時30分ごろには仁科漁港へ帰港します。冷却海水で〆た真イカは帰港後、漁港で速やかに選別し、箱詰めして市場へ出荷。昼のうちに水揚げし、その日のうちに選別することで、翌日の朝には高い鮮度の『仁科の真イカ』が東京の市場に並びます。
 活魚出荷用の真イカは漁協が漁業者と輸送業者を調整し、水揚げと積み込みにタイムラグが起きないように港付近で活魚トラックを待機させます。漁業者・漁協・輸送業者が一体となって連携し、最良の状態での活イカを出荷しています。

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