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おいしい魚の話

vol.5「魚の流通」

おさかなマイスター認定No.0075 加川 厚子

鮮度は魚の命。

おいしい魚を食べるには、旬はもちろんですが、鮮度がそれ以上に大切です。魚は鮮度落ちが早いので、昔は海から遠い地方では、鮮魚を食べることができませんでした。最近は、流通や処理の方法が進歩したために、多くの人がおいしい魚を食べられるようになっています。
いま魚は、大きく分けて、活魚、鮮魚、冷凍魚、の三通りの方法で流通しています。

●活魚

活魚は文字通り生(活)きたまま流通する魚、たとえば料亭の生け簀で泳いでいる魚です。水槽を備えた船で運んだり、荷台に水槽を備えた専用のトラックで運んだり、築地にも活魚専用のコーナーがあります。

しかし魚は生きてさえいればよいというわけではなく、生け簀などに何日も入れておけば味は落ちていきます。車エビや貝は、殻がついていれば何日間かは生きているので、生きた状態で普通に流通していますが、これは活魚とは言いません。

  • 活魚01

●鮮魚

新鮮な魚、生の魚という意味です。魚屋の店先でよく見かけ、値段も手頃で、季節感が味わえるのは鮮魚です。この頃は、運搬の時の氷を工夫したり、冷蔵車を使ったりするほか、輸送時間も短くなったので、産地から遠くてもおいしい魚が食べられるようになりました。鮮度によって「生鮮魚(生きが良い)」「鮮魚(生きがやや落ちる)」と分けることもあります。

生鮮魚は刺身や寿司など生で食べるものに、鮮魚は主に、焼き魚、煮魚など、加熱料理のときに使います。鮮度は、「目が澄んで張りだしている」「エラが鮮やかな赤色」「皮膚に光沢がある」「腹が弾力がある」などの点に注意して選べば、鮮度が良い魚を選べます。

魚は死ぬと死後硬直を起こし、それから徐々に自己消化してうまみ成分が増え、身が柔らかくなり、腐敗に向かいます。マイワシやマサバのような赤身の魚と比べると、マダイのような白身の魚は硬直時間が長く、鮮度が落ちるのが遅いようです。
鮮度の落ち方は、漁獲後の扱い方でも違います。網で大量に獲る魚は、ほとんどが氷(水)などで野〆にします。マダイやヒラメなどは、一尾ずつ活〆という方法で延髄から神経を破壊し、血を抜き、鮮度が落ちる速度を遅らせてから出荷する方法もあります。

  • 鮮魚01
  • 鮮魚02

●冷凍魚

鮮度を保つために冷凍にした魚です。いま、日本の漁業は自給率約60%、かなりの部分を輸入に頼っています。チリのサケ(ギンザケ)、アメリカのタラ(マダラ)、オランダのアジ(ニシマアジ)、モーリタニアのタコ(マダコ)などを召しあがったことがおありでしょう。こういう魚は、ほとんど冷凍で輸入されます。マグロ類も冷凍で輸入されることが多い魚です。スーパーなどでは解凍して売っていることも多いのですが、その場合は「解凍」という表示がついているはずです。

いまは冷凍の温度もマイナス50~60度と低温になり、その後の保管もよいので、冷凍魚もおいしくいただけるようになりました。獲ってすぐ冷凍されたものは、鮮魚に引けを取らないものもあります。国産の魚でも、サンマのように旬の時期に大量に獲れたものは、冷凍にして端境期に流通させることもあります。

  • 冷凍魚01
  • 冷凍魚02

おさかなマイスターとは、魚介類の旬、栄養、産地、漁法、調理、取扱方法などを学び、さかなの魅力や素晴らしさを伝える「さかなの伝道師」です。

日本おさかなマイスター協会のWebサイトはこちらから。