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岡山県

夏バネ(スズキ)


旬:6~9月

涼しげな白身はまるでガラス細工。
旨みと甘みが絶妙に調和した、夏の贅沢

プライドストーリー

至高の逸品、「夏バネ(スズキ)の洗い」。
暑さを吹き飛ばす、岡山の夏の風物詩

 岡山全域で漁獲されるスズキ。一年を通して水揚げのある身近な魚ですが、夏の風物詩としての実力は一流です。地元では、夏バネ(スズキ)の洗いをテーマにプロモーションに取り組んでいます。

~今日は岡山の花火大会。
 夕暮れ時から京橋たもとの割烹の二階、河岸沿いの座敷に構えたのは表町のおやじ連。
 ようやく暮れなずむ旭川の河原から湧き上がってくる人々の喧騒で京橋を渡る路面電車の響きもかきけされ、花火の始まりを待つときめきを載せて窓の縁からようやく涼風がさし始めた。
 おりしも宴の始まりに、膳に運ばれたのが「夏バネ(スズキ)の洗い」。
 一同待ってましたの顔つきがほころんだ。
 切り子の大鉢にかち割氷を敷き詰めて大葉ととさかのりをつまに沿え、ざくっと盛られた白身の涼しげなこと。
 そぎ切りにした切り身を桶の氷水にしっかりさらし、芯まで冷えが回ると身はちぢみ、肌は白く霜降りとなってまるですりガラスの細工物のよう。
 のぞきに張られた薄口しょうゆに青唐辛子の辛いやつをほんのヒト欠けちぎり入れ、身の端をちょっと浸して口に運ぶ。
 ヒヤッと冷たさの後に浅い旨みとほのかな甘み。
 さらっとした舌触りと生きた身の弾力が程よくかじかんだ切れの良いかみごたえ。
 活きたスズキを板場でしめて、ぶりぶりする身を即座に切り下したものでなければぜっったいにできない技である。
 盃に七色の光が映ったら外から大きな歓声が…、間髪入れずドーンとなった花火。
 昼間の暑さなんてどこかにくらました。
 今は昔の「夏バネ(スズキ)の洗い」。今宵この贅沢。~

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水揚げ漁港や漁法

県内全域で漁獲される
瀬戸内海を代表する魚

 岡山全域で漁獲され県内のすべての漁協で水揚げがある、岡山で最もポピュラーな魚のひとつです。漁期は年間にわたり、漁法も豊富。夏の暑い盛りには釣りまたは定置網で漁獲され、なかでも活魚で水揚げされるものが特に価値が高いといわれています。
 昭和から平成の初期までは、市内の割烹料理店で洗いにして楽しむ夏場の活けハネ(スズキの成長過程での名前)が人気でした。その鮮度と質が店の評価につながるほどであったため、活きの良いハネを求めて店の板前が漁港に押しかけ、奪い合いになることも。そのため釣り漁師の中でもハネ釣り漁師は花形で、夏の3ヶ月の間に1年分を稼ぐほどの腕前をもった漁師もいました。
 現在では市内の割烹料理屋の数も減り、夏の暑い時期に氷の器に涼しげに盛り付けた夏バネ(スズキ)の洗いを食べる習慣も薄れたため、高値で買い求められることは減りました。しかし漁獲量は以前より増加している季節もあり、岡山のみならず、瀬戸内海を代表する魚となっています。

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