日本屈指の漁場、瀬戸内海。香川の漁業海域である「播磨灘」「備讃瀬戸」「燧灘(ひうちなだ)」は、魚介類の産卵成育に最適の環境です。海岸線は複雑に入り組み、起伏に富む海底は天然礁をつくります。多数の島々は潮流の緩急に変化を与え、海水は周辺地域の河川から流入した栄養分のある水をたたえています。

　この豊かな環境が、ここで生まれ育つ魚類はもちろん、他の海域からやってくる魚類にも恵まれた産卵成育の場となっています。たとえば、瀬戸内海で漁獲されるカタクチイワシ、サワラ、タイ、フグなどは、外海から瀬戸内海へ入り産卵します。孵化した稚魚はここで育ち、ふたたび外海へ出て親魚に成長。このような回遊のサイクルを繰り返し、豊かな漁場を形成しています。